干柿をつくる
- ringoya2254
- 11月22日
- 読了時間: 5分
合同会社りんごやの代表(私)は、個人事業主として農業もやっています。
主な作物は干柿(市田柿)を生産して加工、製品に仕上げて出荷しています。
干柿は生では食べられない渋柿を加工し、いわゆるドライフルーツにしたものです。
実は渋柿は甘柿より糖度が高いのですが、苦み成分のタンニンを含んでいるので生では渋くて食べられないのです。
ところが、熟すと渋みを感じなくなってとても甘いのです。
干柿づくりの方法と様子を紹介します。
使う写真や動画は今年のものもありますが、記事にしようと思ったのが最近なので、昨年、一昨年のものもありますがご容赦ください。
剪定(冬)
柿の木の枝を切って整えます。柿は基本的には新しく出た枝に実がつくので、「こんなに切っちゃっていいの?」と思うほど枝をすいてしまいます。また、作業がやりやすいように、樹高が高くならないように上に伸びた枝は全部切ってしまいます。日当たりや風通しも大事で、枝が重ならないようにします。
剪定は冬場の仕事で、木が新芽を出す準備を始める前の2月末くらいまでに終わらせる必要があります。
管理
“よい干柿をつくるには、よい生柿をつくる“ことが大事です。
①消毒
年間(3月~10月)に6回ほど消毒をします。虫と病気を防ぐためです。消毒薬は決まっていて、加工された干柿に農薬が残っている心配はありません。
虫と病気の発生は年によって違います。今年はアメリカシロヒトリが大発生、昨年はカメムシ、ケムシが多かった年もありました。柿畑の様子をこまめに見て対応していく必要があります。
②徒長枝の除去
柿は新しい枝がたくさん出ます。出過ぎた徒長枝を6月頃に取り除きます。栄養を実に集中させたり、日当たりや風通しをよくするために行う作業です。
③摘果
ついた実を落として調整します。生理落果といって自然に落ちてしまう実もあるので、生理落果が落ち着いた7月中旬から摘果をするのが普通です。
摘果の目的は実を大きくするために、実が混んでついているところは数を減らす、奇形の実をみつけて落とす、上を向いている実を落とす(日当たりが強いところは成長が止まるから)等をして、大きさ、形のいい実をつくるために行います。
その後も時々見直し摘果をすることもいい実をつくるためには大事です。
④草刈り
4月から10月まで、2~3週間に一度は柿畑の草刈りをします。草丈が膝高を越えないうちに刈ると作業効率がいいです。雨が多い時は草の成長も早く、暑い時期の草刈りは重労働です。
⑤追肥
草の成長が下火になった9月に我が家では、追肥を播いています。
⑥お礼肥え
収穫が終わって葉が全部落ちた12月、しっかり実をつけてくれた畑に感謝してお礼肥えを播きます。翌年に向けた土づくりですが、毎年いい実をつくるためには欠かせない作業です。
加工
収穫→皮むき→吊るし→燻蒸→乾燥→粉だし→成形して化粧箱やパックに詰めて完成
①収穫
収穫は10月末に始まります。気温がある程度下がってこないと柿はオレンジ色に色づいてきません。色づきの具合をみて収穫開始日を決めます。
収穫した柿は2~3日程度寝かします。収穫したばかりの柿は硬くてむきにくいので少し寝かせてやることで熟度が進み、むきやすくなります。

保冷庫がある農家では2℃前後で保管すれば数週間は保管できます。
②皮むき
以前は柿のヘタ部分に針を刺してむく機械でしたが、今は吸引式の自動柿むき機を使っています。我が家はいち早く吸引式自動柿むき機を導入し、17年目になりました。
1日に20kgのコンテナで20ケース前後、400Kg~500Kgをむきます。球数では5000玉前後になると思います。1日10から12時間くらい柿むき機の前に座ってひたすらむき続けます。約1週間から10日で我が家の柿はむき終えますが、作業としては最もきつい期間です。
③吊るし

我が家ではむいた柿を点検し、むき残しがないかチェックしてから吊るしています。むき残しがあると乾燥後の処理が必要になります。また、乾燥の仕上がりも今一なのでチェックして合格したものを吊るすようにしています。
のれんの長さは約1.5m、1本ののれんに20個程度吊るします。
④燻蒸
吊るし終えた柿は燻蒸庫に入れて硫黄で燻蒸します。硫黄には殺菌効果があり、カビの発生を防ぐことができます。
⑤乾燥

燻蒸が済んだ柿を柿干場に移します。我が家はビニールハウスと柿を干す専用の納屋の2階で乾かしますが、のれんは1800本程度になります。
柿干場に移された柿を3~4週間かけて徐々に乾燥させていくのですが、その管理も大変です。天気を見ながら温度や湿度を調節したり、空気がよどまないように扇風機を使って風を送ったり・・・
我が家にはありませんが、柿干場に大型のエアコンが入っている農家もあります。
乾燥状態がよくなると柿をのれんから外し、平コンテナにひろげてちょうどいい乾き具合に仕上げていきます。多くの農家は天候を見ながら天日に当てて乾燥を進めていきますが、我が家は加温乾燥室で仕上げます。天候に左右されずに仕上げられるので、加温乾燥室をつくったことで労力がものすごく減りました。
⑥粉だし
乾燥させただけでは干柿の白い粉は出てきません。粉だし機や柿もみ機にかけて刺激を与え、涼しいところで寝かせてやる必要があります。粉の出し方は生産者によってかなり違います。私は水分量をできるだけ残し、やわらかくて白燈色(飴色ぽい白)の干柿に仕上げています。
白い粉は糖分の結晶で、乾いていく過程で干柿の内部から出てきたものです。
⑦成形、出荷
現在、我が家は700gの化粧箱と170gのパックをつくっています。今後は独自な製品を開発して販売していくことも考えています。

粉が出た干柿を成形して700gの化粧箱をつくっていきます。使う柿は厳選した最高級品です。見た目はもちろんですが、硬さ、味も間違いがないものです。

詰め終えたばかりの700g化粧箱のトレーです。
成形する時に干柿に刺激を与えているので、しばらくするとさらに白く粉が出てきます。
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